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バリ州は、先月26日から今月21日まで外出自粛を島に住む全ての人に対し要請し、もちろん要請なので、お店などは開いていますが、営業時間はかなり短くなり、夕方になるとどこからかやって来て道端で営業していた屋台も来なくなり、7時を過ぎると本当に閑散としています。
でも、20年前に初めてバリに来た時はこんな感じだったなーと懐かしい気持ちにもなりました。
もちろん、レッスンも全て自粛になり、オンラインレッスンのやり方を知らない高齢の先生達ばかりなので(笑)、自主練に励んでます。
先日、部屋の前のテラスで太鼓を練習していたら、視界の外れの木に鳥が飛んで来ました。
暫くして、その鳥は明らかに私を見ている事に気づきました。
むっ、鳥ちゃんが私を見てる!
と私が意識して太鼓を叩くと、鳴いたりさかんに首を動かしたり、止めると止まってジーッとこちらを見たり。
この鳥の行動は何だろ?と思いつつ、練習を続けていましたが、ふと、
人間だけが、鳥の声の美しさに感動して歌を作ったり、バナナの木や花々が風に揺れるのを見て踊りを作ったり
人間だけが、目や耳で捉えたものを身体を使って形にする事が出来る。
その表現行為を動植物達は楽しんでいるのかも知れない
と思いました。
そして、
人間は自然界から美しいさや豊かさや、時に怖い事があっても、心を動かされ、感謝したり畏怖したりしながら音楽を奏で踊り、そして、自然界はそれを楽しみ、楽しんでもらう事を人間は喜びとし人間が喜んで何かを表現するので、自然界もまた人間に何かを与える
という循環の中に"芸能"というものがあったのではないかなー?と思いました。
私が生まれてから芸能の多くは、人間を対象にする事が当たり前でそんな事を考えもせずに音楽活動をしていましたし、バリに来る前から神社やお寺、教会で歌わせて頂く機会もありましたが、そこにいる聖なるものに対してのみ手を合わせていました。
でも、芸能の原点は自然界との共存と想いの循環から生まれたもので、人間と自然界の共同の創造物なのかも。
と思います。
犬も木も花も雲も地中にいる小さな生きモノも、本当は歌ったり踊ったりしたいのかもしれません。
豊かな命の星、地球の上でいつまでも歌って踊っていたい。
真っ青な晴天の日々です。