魂の輝き
先日、インドネシア独立記念日の朝、夫だった陽一さんが亡くなったと連絡がありました。
陽一さんは原因不明の脳炎が元で介護が必要となり6年近くお世話をしていましたが、色々あって離れて暮らす事になり、私はバリに来ましたので、最後を看取ることが出来ない事は覚悟していました。
が、やはり、このコロナ禍もあって1人家族に看取られずに亡くなったと思うと、悲しく寂しく不憫で涙が止まりませんでした。
が、泣いても仕方がないし、彼の冥福を祈ろうと思い最小限の供物を買い、海へ行きました。
独立記念日だからか海は家族連れで賑わっていました。
1人、浜辺で静かに祈りたかったので暫く流木に座って人が退くのを待ってから彼の魂がちゃんとあちらの世界にたどり着き、新しいいのちの始まりを迎えられるようにお祈りしました。
祈り終わってまた暫く流木に座って重苦しい気分のまま浜辺に置いた供物をぼんやり眺めていました。
ふと視界に光りのタマの様なものがチラチラと見えました。
これは陽一さんの魂ではないかと思いました。
そう思った途端、その光りはさらに強く温かい光りを放ち始めました。
私は初めて人の魂の輝きを目にしました。
そして、人の魂というものは、こんなにも美しく光り輝いているものなんだと知りました。
その光りは、苦悩や悲しみなどがなく喜びや至福に満ちているように感じました。
肉体の別れは寂しいものだけど、彼の今世の卒業と新しい始まりをお祝いしよう
と、私も何か晴々しい気持ちになりました。
そう思った途端、それまで波に飲まれそうになりながらも飲まれずにいた供物が、一度だけやって来た長く高い波に跡形もなく飲まれ海に消えました。
それは、神さまからの答えであるような気がしました。
魂こそが本質なんだと。
あなたも、私も、肉体という入れ物の中に隠れて見えないけれど、その魂は何ものにも負けない程の輝きを放っているのでしょう。
そして、その美しい輝きを信じて生きていていいのだと、そう思います。